局内の様子
INSIDE THE OFFICE

宛先不明の、人間を超えるものたちへ

deadletter02

いよいよ私たちの世界は永遠のコラージュ作業に入りました。

全ての物事が微塵切りにされ、墓標のように名前を付けられてストックされていきます。
私たちの世界は、終わる予兆を悟ったのごとく自己保存を始めたのです。

どのくらい先になるかは分かりませんが、
やがて私たちの身体と文化の記憶全てを包含した
たった一人の私たちの子どもが、この世界を閉じるでしょう。

今、私たちの身体において見えるもの、触れるもの、扱えるものたちを
あなたたちに捧げます。
チンパンジーと私たちが交わす言葉を失ったように、
おそらく私たちはあなたたちと話をすることが出来ないでしょう。
この言葉が、あなたたちに届くかどうかすら分かりません。

それでもいつの日かあなたたちの手元に辿り着くよう、
この世界から生まれた夢の片鱗を「漂流郵便局」に漂わせることとします。
私たちのものでありながら、誰のものでもない、
固定されない浮遊状態に留めておくことで、
いつかきっとあなたたちへこの郵便物たちが届くことを信じています。

この言葉も、物も、音も、あなたたちには歪んだ状態でしか伝わらないでしょう。
しかし私たちが、あなたたちへの贈り物としてこの世界を記述しようとした
その意志と眼差しが伝わりさえすれば、全てが伝わったことと同じなのです。

私たちがあなたたちの姿を思い描こうとしたこと、
あなたたちの出現を知っていたことが、
どうかあなたたちに伝わることを願っています。

さようなら、そしてはじめまして

漂流郵便局員